中駒織物

着物|KIMONO

振袖とは

~良縁を願う第一正装~

振袖の歴史は古く飛鳥時代には振袖の原型が生まれ、江戸時代に現在の振袖に近いかたちに変化したと言われています。明治以降 未婚女性の第一正装として定着しました。
長い布や袖を「振る」という行為は厄を払い清め神の魂を奮い立たせるという「魂振り」を意味します。
若い女性は良縁を願って袖を振るようになり、その効果を高めるために袖は長くなっていきました。江戸時代には装飾性も増し晴れの日に華やかな振袖を着用するようになりました。

緞子亀甲吉祥文様振袖

光沢のある白地の緞子を着物の形に縫い地色を染める工程を繰り返し、染め上がった振袖に金箔、刺繍等各工程をそれぞれの職人が責任をもって仕上げた逸品。亀甲の中には松竹梅、菊、鶴が鮮やかな色彩で描かれています。

流水宝船花尽くし振袖

吉祥地紋を綸子の生地に織り込まれている。水は流れて腐らず清廉、正義の意味を持つ流水模様に浮かぶ宝船。金銀財宝が積み込まれた「富」の象徴とともに水の流れに乗る船は災いを払い乗せて流れていく。神の乗り物としても表される船に「神仏の加護」を願う。

黒地ちりめん菊松ぼかし振袖

絹地を黒に染めると他の色に染まることはなく、どのような染料を用いても黒は変化しないため「忠誠心」「誠実さ」を示す。平安と不老長寿をもたらし神聖なものの象徴となる「松」を単色ではなく「ぼかす」技術は大変難しく高度な技術が必要とされる。最後の工程に金箔をちらし大胆な菊松模様は「高貴」「高潔」「高尚」を表す格調高い一枚。

金地藤花振袖桃山

全体に金箔をあしらった豪華な綸子の振袖。綸子に織り込まれた地模様は光の加減により見える模様が異なる。生地の凹凸の流れを加味して仕立てあげた傑作。この優美で華麗な振袖は光を浴びて輝く。絵を描いた上から金箔を塗り縁取りに強弱をつけアクセントにしている。
振袖全体に柔らかく箔を塗る技術は失った江戸の技。

絵巻熨斗目青地振袖桃山